1クラスあたりの最適な生徒数とは一体何人なのだろうか―最近のアメリカでの調査によると、アンケートに答えた半数の学区が予算圧迫によって大人数のクラス編成を余儀なくされているという。多くの学校職員が生徒への影響を懸念している。
記事では、学校側が予算削減によって現状に絶望感を抱くのではないかと心配する一方、徹底した教員評価システムを創り出すことができれば、クラス規模の増大は必ずしも学区に悪い影響を及ぼすものではないとも示唆されている。
最適なクラスサイズを指摘することは難しい。1クラスあたりの生徒数を17人まで削減すれば小規模クラスの効果が表れるとの調査報告があるものの、アメリカのほとんどの学区にとって1クラス17人は夢の数字であるのが現状だ。
前ワシントンDC教育長のMichelle Rheeは、“質が高い”と評価された教師に大規模なクラスを任せると考えれば、クラス規模の増大は経費削減のための効率的な手段だと主張するが、教師や保護者側からすれば、大規模なクラスでは、教師の仕事量が増えるにもかかわらず生徒1人1人との関わりが減ってしまうという懸念がある。
記事では、他の方法を実践することで経費削減に“成功”している学校を紹介している。カリフォルニアのある学校では“Learning Lab”でのコンピュータによる学習を取り入れることで、教師の数を削減しているという。そして、どの方法を取るかの是非はさておき、美術に割く時間の削減や学費の値上がりに比べれば、クラス規模の増大は保護者にとっていたしかたない手段なのかもしれないと締めくくられている。
クラスサイズに関しては、コロンビア大学Teachers College (TC)の教育社会学教授、Aaron Pallasが過去に興味深い寄稿をしている。それによると、少人数制クラスの低学年の生徒に対する効果には説得力の高い研究結果があるものの、クラスサイズに徹底した質の高い検証は未だになされていない。つまり、検証による確固たる裏付けがない以上、クラスサイズ縮小化に関する議論は推測の域を出ないことになる。
さらに、彼はNew York Cityの学校を例に挙げて、予算削減はもとより、クラスサイズ縮小化に伴うスペースの増大に対応できない可能性も指摘。クラスサイズの縮小化が不可能だとするならば、それは学校が「あえて選択した」のか、それとも学校が「選択せざるを得なかったのか」も考慮する必要があるだろうと示唆している。
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