2011年2月21日月曜日

統一アセスメント開発チームの拡大プラン

By Gewertz, C. Education Week, (Feb 11 2011) 教育評価担当:美馬

現在、Common core standards(統一学習標準)に対応したアセスメントの開発が進んでいる。5つの州を除く全ての州が2つの開発チームのどちらかに参加しているが、その提案が、新たな学習標準に合わせた指導教材や教員養成にまで拡大することがわかった。これらの開発チームは、昨年9月にアセスメント開発の目的で"Race to the Top"助成金から330万ドル(日本円で約274億円)を得ており、更に米連邦政府教育局から、新しい学力標準とアセスメントへの移行準備をする目的で15万8千ドル(約13億円)の追加支援を受けている。ワシントンに拠点を置くAchieveの代表であるMichael Cohenは、「当初は純粋にアセスメントの開発を目的としていたが、例題や授業モデルなど、さまざまな指導手段を提供することに目的がシフトしている」と言う。
統一学力標準に向けて動いている組織は多岐にわたる。教育系出版社のピアソンは先頃、統一学力標準を反映した、中学校・高校向けのカリキュラムを発表した。American Federation of Teachers(AFT)は、標準に沿った授業のモデルプランや実際の授業を録画したビデオを集めると同時に、教師たちが指導教材を評価するための手段も整備しようとしているし、またAFTも、地域支部や学区、大学、非営利団体などが統一学力標準の導入に向けて協力して取り組むことをサポートしている。更に、ビル&メリンダ・ゲイツ財団から昨年1900万ドル(約15.9億円)の資金提供を受けた6つの団体も、統一学力標準に合わせた指導教材の開発を行っているところだ。
2つの開発チームに話を戻すと、Assessment of Readiness for College and Careers(PARCC)とSMARTER Balanced Assessment Consortium(SABC)の両チームともが無料でアクセスできるオンライン上のデータベースの開発を進めている。両チームそろって開発しているものもあるが、多少異なっているものもある。例えばPARCCは年に4回さまざまなタイプのアセスメントを実施し、その結果を組み合わせた累積的なスコアを得る「コースを通した」アセスメントを考えているが、教師や校長がその結果を読みとるサポート手段も開発している。またSABCは、教師のアセスメントシステムに関する専門知識を構築すること、どのように採点や結果の分析をするかを指導することを目指して外部の専門家と協同している。
記事原文

1 件のコメント:

  1. Common Core Standardsには非常に怖いものを感じています。まあ、全米統一の標準テストにおける点数がアメリカの教育的価値観を支配するようになるのは間違いないでしょうね。各州、地域、学校、さらには教員までもがその統一テストの点数で評価されることになるでしょう。今既にできている流れが強化されるだけですが…。

    それとは別に、美馬さんの記事を読んでいて非常に気になったのが、Common Core Standardsと金の繋がりです。Common coreがテストや出版企業にもたらす利益は莫大なものとなるでしょう。今まで州ごとにバラバラであったにも関わらず、テスト企業などはmulti-billion-dollar industryでしたから。そうなると、実際には誰がCommon Coreを押してるのかというのも非常に気になる所です。このイニシアティブによって一番の御利益にあずかるのは誰なのか…、そう思ってちょっと調べてみました。

    これからもっと出てくると思いますが、とりあえずこんな記事があったので紹介します。執筆者にもう少し深く切り込んで欲しかったのですが、とりあえず問題意識だけは似ています。

    "Corporate role in common core standards ought to be exposed. Who appointed Bill Gates Emperor of Education?"

    http://bit.ly/iivbOu

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